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プロローグ
「おかあさん、きが あかくなってきたよ」
これは、中庭の毛桃の木を指して、長男のあきが、その芽吹きの様子を私に教えてくれた言葉です。これを聞いた時、私は、はじめ何のことかわかりませんでした。 けれども気がついて、子どもたちと一緒に庭へ走り出てみますと、そこには、まるで体中から命が吹き出したように、たくさんのつぼみを掲げた枝がのびのびと張り出して、木枯らしの中、揺れていました。
その様子は成長の芽をたくさんもった幼子たちにも似てみえました。冬を乗り越えて見事に復活した、その赤い木のイメージは、子どもたちの明るい歓声とともに私の胸に焼き付いたのです。
このように、ここに納めました会話は、私たちにとりましては、ひとつひとつ忘れられない思い出のあるものです。幼い者たちのたあいない言葉のメモにすぎませんが、お互いに思うようになることばかりではない子育ての中で、子どもたちと共に、何かを感じあえたその瞬間は、思いがあふれて書きとめないではいられず、いつの間にか点字のメモは増えていきました。
このコーナーでは、こうして生まれた会話集の中から抜粋して掲載します。
- セレクト1
1987年1・2・3月 (あき/2才2〜4ヶ月 まさき/5〜7ヶ月)
1987年4・5・6月 (あき/2才5〜7ヶ月 まさき/8〜10ヶ月)
- セレクト2
1987年7・8・9月 (あき/2才8〜10ヶ月 まさき/11ヶ月〜1才1ヶ月)
1987年10・11・12月 (あき/2才11ヶ月〜3才1ヶ月 まさき/1才2〜4ヶ月)
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