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放送日:2007年2月24日

笠原慎一さん

 今月は佐久市の「有限会社 ねば塾」の塾長、笠原慎一さんにおこしいただきます。
 「ねば塾」は、無添加しらかば石鹸」を代表とする、せっけんの製造販売会社です。「ねば塾」の特長は、働くスタッフの多くがハンデを持つ人々であることです。
 笠原さんは、施設職員として、障害をもつ人たちと生活を共にするうちに、彼らの多くが、福祉施設のような保護保障を望むのではなく、完全なる社会参加を希望している事を知りました。つまり『彼ら自身が働いて稼ぎ、その糧で生活する事』です。そこで、笠原さんは、1978年12月、理想を追い求め「ねば塾」を誕生させたのです。
 「ねば塾」設立当初は、施設から2人を引き取り一緒に土木作業員として働きました。便利屋としてどんな仕事も請け負いました。その後、段々と塾生が増え、大きな県立公園の管理作業も受託しました。
 そして、1983年に廃油リサイクル、「しらかば石鹸」が誕生。その後、工夫を重ねて、高品質の石鹸が量産出来るようになりました。 現在では従業員26名(内18人が何らかのハンデを持つ)製品品目50種以上、利用客からたいへん喜ばれる石鹸メーカーに成長しました。
 実は私は、「ねば塾」の創立当初に、「ねば塾」を訪ねたことがありました。障害者の方が、縁側で家族同然にくつろいでおられ、小さなお子さんが走り回り、奥様が、みんなのために料理をする夕餉の香りが部屋に満ちていました。「笠原さんがしようとしておられるのは、障害者福祉ではなく、まさに共に生きることなのだ」と、驚きをもって実感したことを覚えています。
 その頃から29年。「ねば塾」は、どんな経験をしてきたのでしょう。久々に笠原さんにお会いして、じっくりとお話を伺いたいと思います。

「有限会社 ねば塾」
電話 0267(68)4428  URL http://www.neba.co.jp/

(文/広沢里枝子)

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