放送日:2008年7月26日(土曜日)
メインゲスト 中山吉泰さん
今月のゲストは、上田市にお住まいの中山吉泰さんです。中山さんは、上田市視覚障害者福祉協会の会長であり、長野県視覚障害者福祉協会の広報担当理事です。
中山さんは、上田地域の視覚障害者のリーダーとして活躍し、視覚障害者の仲間の相談にも応じています。また、当事者の立場から、地域の点訳ボランティアの方々を支援しています。
さて、今、長野県では、「盲学校・聾学校・養護学校の再編問題」が、大きな課題となっており、全国から注目を集めています。
そこで今回は、この問題について、視覚障害者として、盲学校卒業生としての立場から、中山さんに、お考えを伺うことにしました。
文・広沢里枝子
■請願書概要
●長野盲学校を視覚障害者を主とした学校として存続させることを求める請願書
平成19年度から特別支援学校と総称された盲・聾・養護学校は、一つの障害者に専門的に対応するか、あるいは一校で複数の障害者に対応してよいものとされました。学校の名称や対象となる障害種別については、設置者である都道府県等の判断に委ねられていますが、長野県では県教育委員会が設けた特別支援教育連携協議会の場で「長野盲学校を現在の長野聾学校敷地に移転・統合することが望ましい」という意見が多く述べられました。しかし、これは視覚障害教育の衰退を招くものと私たちは深く懸念しています。
●昭和25年に長野盲・聾学校は分離されました
両校はそれまで一校であったのですが、それは別の障害を負う児童・生徒同士にとって、不幸ともいうべき環境にあったためです。動作の速さのちがいやコミュニケーションのとりにくさのため、行動の安全が保てず、諍いがおきたり、つらい思いをした方も多いようです。
●盲学校では音を頼りにした学習やスポーツが活発かつ安全に行われています
視覚による情報不足を他の感覚で補いながら活動するには、ある程度の静かさ・広さ・時間の余裕が必要です。そのための各種器具・設備があることや、盲学校の特色である按摩・針・灸臨床実習設備と患者の方々の利便性等、現在の環境は他に換えがたいものです。こうした教育上の配慮や工夫の蓄積こそが、視覚障害教育における専門性の高さといえるものなのです。
●安心して通学や学校生活がおくれる校地内外の整備が不可欠です
歩道の誘導ブロック、音響式信号機、交通機関の体制等、現在の環境は他に換えがたいものといえます。これらは私たちが長く要望を続け、40年余の多くの時間と費用をかけ、地域住民の方々の温かいご理解のもとに培われたものなのです。
●視覚障害教育の専門性は必然的に保たれなくなります
盲学校が他の地に移転・統合されれば、こうした貴重な環境は失われ、今日まで深められてきた本県の視覚障害教育は確実に衰退することでしょう。
障害者の社会参加と平等の施策が推進されつつある昨今、今回の移転・統合案は障害者をひとまとめにして、更に不自由を負わせようとするものであり、昨年本県県議会において採択された障害者施策充実に向けての陳情、更には国連による障害者の権利条約の理念にも反するものです。
今後、県教育委員会において特別支援学校再編整備計画が立案される場合には、請願書の主旨を十分に踏まえ、盲学校を現在地に存続してくださいますよう請願します。
●請願団体
・長野県長野盲学校同窓会
・(社福)長野県視覚障害者福祉協
・長野県長野盲学校有志の会