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これまでのゲスト

放送日:2013年9月28日

<ゲスト>
近藤洋一さん

今月のお客様は、「野尻湖ナウマンゾウ博物館」学芸員の近藤洋一さんです。
この博物館は長野県の北端、信濃町の野尻湖畔にあります。1962年からはじまり50年以上続けられている「野尻湖発掘」の成果を中心に、約5万年の昔から現在に至るまでの、野尻湖周辺の自然環境を研究・展示している博物館です。
私は先月、友人たちとこの「野尻湖ナウマンゾウ博物館」を訪ねました。見えない私は、これまでは、博物館に行っても、ガラスケースの向こうにある物を想像するだけのことが少なくありませんでした。ところが今回は、近藤学芸員さんに収蔵庫を含めて館内中を案内していただき、「博物館って、こんなにおもしろかったんだ!」と、感動の連続でした。5キロもあるナウマンゾウの臼歯を抱えさせていただいたり、実物大のナウマンゾウの口の中に頭を突っ込みながら歯の並びを確認したり。豊富に展示されている骨器や石器、マンモスの毛、ナウマンゾウの足跡など、さまざまな貴重な発見物に触らせていただきました。
そして、道一筋に地質学を研究し、野尻湖発掘に携わってきた近藤さんのお話は、氷河期から現代、未来にいたるまで自由自在。長いスパンで地球環境を研究しているお立場で、今の人間の自然とのかかわり方をどう見ているかというお話も、大変重要なものでした。
この近藤さんのお話を皆さんと一緒にもっともっと聞きたくて、今回は信濃町から近藤さんをお呼びします。「野尻湖友の会」など、多くの市民の広がりによって続けられてきた楽しい野尻湖発掘のお話。東信各地でも発掘されているさまざまな像のこと。長年学芸員として携わることで見えてきたもの。第28回特別展の見所など、お聞きしたいことがいっぱいです。
地質学は過去を知ることで、現代と未来を知るための学問とのこと。信州をゾウやシカが闊歩していた太古の世界に想いをはせ、地球環境について考えましょう。

(文/広沢里枝子)

野尻湖ナウマンゾウ博物館
http://www.avis.ne.jp/~nojiriko/

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