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これまでのゲスト

放送日:2016年6月26日

<ゲスト> 池田純さん

 今月のお客様は、池田純さんです。池田さんは、盲導犬のワイラーと一緒に、長野市からお越しくださいます。ワイラーは、真っ黒で堂々たる体格をした池田さんの5頭目の盲導犬です。
 池田さんは現在、「ジェイハート」という会社を作り、ホームヘルパーの派遣や障害者のためのグループホームの運営などをしていらっしゃいます。
 池田さんが、ベーチェット病という難病にかかって失明したのは、早稲田大学で法律の勉強をしていた25歳の頃でした。池田さんは、その頃に上田点字図書館の元館長であった内藤礼治先生に出会って点字を習得し、日本ライトハウスで白杖の訓練を受けました。その後、長野県職員として22年間勤務。
 1990年の障害を持つアメリカ人法(ADA)に刺激され、日本における障害者差別禁止法の運動に参加。長野県障害者差別禁止条例の提案を永年にわたってしておられます。
 今回は初めに、昨年の12月10日にご逝去された元点字図書館長の内藤礼治先生を忍んで、二人で思い出を語りあおうと思います。内藤先生は、点字書は正確でなければならないという信念をもって職員、ボランティアとともに努力を重ね、その実践は全国の点字書の質の向上に影響を及ぼしました。長野県においては、失明者の訪問指導や相談、就労支援、盲導犬貸与事業の実施など、視覚障害者のために力を尽くしてくださいました。
 また、メインテーマとしては、今年の4月に施行された「障害者差別解消法」について、障害当事者の立場から、その意義と課題をわかりやすく教えていただきます。この法律によって、社会はどう変わるのか。それでもなお、障害者差別をなくす県条例が必要なのはなぜか。実際にあらゆる障害者差別をなくしていくために、さて、私たちはここから何をすべきかを考えます。

(文/広沢里枝子)

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