ここから本文です。

これまでのゲスト

放送日:2023年8月26日

<ゲスト> 三沢亜紀さん

「里枝子の窓」では、毎年8月に戦争の歴史を学び、平和について考えています。そこで、今回は、下伊那郡阿智村にある「満蒙開拓平和記念館」事務局長の三沢亜紀さんにお話を伺います。
三沢さんは、1967年に広島県因島市(現在は尾道市)という瀬戸内海の島に生まれました。進学で東京へ行き、1994年から飯田市に住んでおられます。
ケーブルテレビ局で15年間番組制作にたずさわり、2009年12月より満蒙開拓平和記念館事業準備会の事務局員となり、今に至るそうです。
「満蒙開拓平和記念館」は、1932年に中国東北部にうちたてられた「満州国」へ農業移民として渡っていった「満蒙開拓団」の歴史を伝え学ぶ施設として2013年4月にオープンしました。満蒙開拓は国の重要政策としてすすめられ、日本全国から約27万人が参加し、長野県はそのうちの約3万3千人。都道府県別ではダントツです。開拓団をたくさん送り出した村には国から補助金が出るなど、昭和恐慌で貧しい村々の経済の立て直しの方策としても進められていきました。しかし、背景には満州の日本人による支配やソ連からの防衛といった目的があり、開拓団が満州で手に入れた土地の中には、もともと現地の人たちが耕作していた農地を安く買い上げ、立ち退かせたところもありました。
1945年8月9日、ソ連軍が満州へ侵攻。開拓団は筆舌に尽くしがたい悲惨な目に遭い、大勢の犠牲が出ました。残留孤児、残留婦人が何千人も生まれた歴史につながっています。
戦後はあまり語られてこなかったこの歴史、風化しつつあったこの歴史を残さなければ!と、いろいろな人たちが力を合わせて作られたのが「満蒙開拓平和記念館」です。
三沢さんは、「この記念館は、満蒙開拓という歴史との対話の場であるので、この歴史から皆さんに語りかけてくるものがあるはず。何か持って帰ってください。何か引っかかって帰ってほしい。」と来館者や子どもさんたちに問いかけているそうです。そんな三沢さんと共に満蒙開拓の歴史が私たちに語り掛けてくるものについて考えましょう。

満蒙開拓平和記念館 - 満蒙開拓平和記念館ページ (https://www.manmoukinenkan.com/)

夏休み子どもWEEK!開催のお知らせ (https://www.manmoukinenkan.com/202306263/)

(文/広沢里枝子)

前のページへ      次のページへ