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これまでのゲスト

放送日:2023年9月30日

<ゲスト> 橘正人さん、橘淑子さん

今月、私は、東御市の北御牧にあります、橘正人さん、淑子さん夫妻のお宅をお訪ねして、ご夫妻からお話を伺う予定です。ご夫妻がお住いの古民家は、かつて地域医療の要であった、旧渡邉医院でした。
橘夫妻と私を出会わせてくれたのは『瞽女さの春』という1冊の絵本でした。淑子さんが美しい挿絵を描いた、この絵本を北御牧の社会福祉法人みまき福祉会の相談員の高橋枝利子さんが預かっておられて、私に1冊くださいました。その内容が、瞽女さんと、少女との心の交流を描いた、とても温かな作品でした。間もなく私は、高橋さんのご紹介で、橘ご夫妻と出会い、その日のうちに、橘さん宅の古民家で、瞽女唄と絵本の読みがたりの集いを開くことが決まりました。
橘正人さんは、フォトグラファーです。昭和19年横浜生まれ。長野オリンピック組織委員会で聖火リレー広報を担当したことをきっかけに、長野県と北御牧村とのご縁ができたそうです。北御牧村と東部町との合併の時、写真プロジェクトで、1600人の村民の笑顔を仲間とともに撮影しました。2019年に、淑子さんと共に、火傷治療で有名だった築130年の旧渡邉医院に移住しました。現在は民生委員として、担当地区を回っていらっしゃいます。
橘淑子さんは、昭和29年千葉県生まれ。多摩美術大学油画科を卒業され、学芸員でした。新潟出身の知人・増山良子さん(故人)の幼少時の瞽女の記憶をまとめた『瞽女さの春』(文芸社刊)の挿絵を描きました。また、東京・東久留米のグレゴリオ宗教音楽研究所にて3年間、パイプオルガンの演奏を学びました。淑子さんは現在、訪問介護の仕事に従事し、将来は、旧渡邉医院の広間にて地域に役立つ福祉施設づくりを目指しておられます。
今回、淑子さんには、絵本『瞽女さの春』のことを中心にお話を伺い、オルガン演奏もしていただく予定です。正人さんには、長野県や北御牧村とのご縁がどのようにつながって、こちらに移住されることになったのか。旧渡邉医院が地域で果たしてきた役割や、今後、この古民家をどのように生かしていきたいかといったお考えをお聞きするつもりです。ご夫妻のすてきな暮らしぶりが、お話と演奏から、きっと伝わることでしょう。

(文/広沢里枝子)

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