ここから本文です。

これまでのゲスト

放送日:2025年8月30日

<ゲスト> 無し

 今月の「里枝子の窓」は、ディレクターの宮嶋美紀さんと私の対談でお送りします。
 私は、7月末にアメリカの西海岸、ロサンゼルスに夫婦で旅をしてきました。長男一家が、会社の海外赴任がきっかけでロサンゼルス郊外で暮らすようになってから、今年で7年目になりました。長男夫婦からも、ぜひ遊びに来てと言ってもらっていましたし、いつか行ってみたいと願ってはいましたが、これまではなかなか機会がありませんでした。ところが、この夏は、93才になる私の母からも、ぜひ行ってきなさいと後押ししてもらい、ようやく息子家族に会う旅が実現しました。
 私たちとしては、息子たちが、どんなふうに暮らしているのか、ちょっとでも触れられたらいいなあという気持ちでしたが、息子夫婦は、私たちがロサンゼルスを満喫できるようにいろいろな計画をたててくれていました。小学生の孫娘2人も、ちょうど夏休みでしたので、みんなでドジャース対ツイーンズの野球観戦をしたり、ビーチへ行ったり、ハリウッド観光をしたり、あちこちでライブを聞いたりして、なんだか夢のような楽しい旅になりました。

Braille Institute Los Angeles

 また、私たちは、ブレイル・インスティチュート・ロサンゼルス・センターを家族で見学しました。ここは視覚障害者のために、教育やリハビリ、生活支援などをおこなっている100年以上の歴史のある広大な施設です。案内してくださったのは、職員のマイラ・ラミレスさんでした。見学のメモの一部をここに記しておきます。
 まず、広いカフェテリアでは、空手、ズンバ、ダンスなどのエクササイズクラスが頻繁に行われます。フィットネス系のクラスは、カフェテリアの奥で行われます。生徒たちは外見を気にせず、パーソナリティを大切にされています。
 ボランティアの受付。ここは、ボランティアが学生をサポートする広々とした場所で、ボランティアが本を読んでくれます。
 ソーシャルワーカーのオフィス。ここでは、ソーシャルワーカーが生徒のサポートを担当しています。生徒がお金がなく食べ物が必要な場合、フードバンクを紹介します。運転してくれる人がいない場合、アクセス交通機関の申請を支援します。施設内および外部のプログラム両方を支援します。

Braille Institute Los Angelesにある壁画

 クラス登録/受付エリア。生徒たちはアートクラスや音楽クラスなど、様々なクラスにここで登録します。オリエンテーション&モビリティスペシャリストが在籍しており、生徒に白杖の使い方を教えています。陶芸、モザイク、ギター、作曲、料理、ソーイング、自立生活スキル、点字、空手、太極拳など、多くのクラスがあります。
 その中で、私は、盲ろう者のためのアートクラスに入らせてもらいました。放送では、そのときの録音をお聞きいただきたいと思います。このクラスでは、生徒の皆さんが、さまざまな形のセラミックタイルを作り、それを板に貼って、自由の女神とニューヨーク市の建物を表した大きなタイルアートなどを制作していました。
 ロサンゼルスで体験した新鮮な驚きを少しでもお伝えできたらと思います。

(文/広沢里枝子)

前のページへ      次のページへ