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放送日:2017年10月28日
<ゲスト> 高橋明さん、伊藤俊一さん
今年、上田駅からほど近い松尾町フードサロンの2階に「地域活動支援センターカナン」という、障がいのある方や、ご家族、ひきこもりがちの方が、気軽に立ち寄れる拠点ができました。障がいを持つピアスタッフが障がいを持つ仲間をサポートする上田市で初めての地域活動支援センターです。
この「カナン」について、「NPО法人カナン」理事長の高橋明さんと、ピア・スタッフ(仲間スタッフ)として働く伊藤俊一さんからお話を伺います。
高橋さんは、定年後は、相談支援専門員として障がい者のプランを立てる仕事で役に立ちたいと願っておられたそうです。特に精神にハンデキャップのある方の支援をしようと思い、その方々の辛い気持ちをより理解したいとの想いから、自宅の居間を開放して週に2回、「カナンの家」を開きました。口コミでたくさんの方々が集まるようになり、2年間で、のべ965名の方のお話をお聞きできたそうです。
精神障害を負うことで、人生を諦めなければならないような環境に置かれてしまう場合があることを知りました。法律で許されているとはいうものの、措置入院や保護室へ強制的に入れられてしまった方々は人格を全く否定され、そのトラウマに苦しんでいます。社会が精神病の辛さを理解していない、偏見を持っている、差別しているという現実です。
その後、精神障がい者の当事者会「ポプラの会」との出会いがあり、当事者が運営するピア活動として、上田駅の近くに地域活動支援センターを作りたいと上田市に理解を求めたところ、2年越しの要望が実って、今年の4月に地域活動支援センターカナンが開設されました。
このセンターでは、悩み事相談や、ミーティングを開いて生きづらさの分かち合いなどをおこなっています。お茶飲み交流の他、学びの場として編み物教室、ギター教室なども開いています。
高橋さんも、伊藤さんも、とても穏やかで誠実なお人柄ですから、お話を聞けば、きっと安心して、カナンへ行ってみよう!と思われる方があることでしょう。
高橋さんが大切にしていて、カナンにも掲げられている星野富弘さんの言葉をご紹介します。
よろこびが集まったよりも
悲しみが集まった方が
しあわせに近いような気がする
強いものが集まったよりも
弱いものが集まった方が
真実に近いような気がする
しあわせが集まったよりも
ふしあわせが集まった方が
愛に近いような気がする
わたしは傷を持っている。
でもその傷のところから、
あなたのやさしさがしみてくる。
「地域活動支援センターカナン」
長野県上田市中央1丁目2-17
0268ー75ー6331
(文/広沢里枝子)
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