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放送日:2017年12月30日

<ゲスト> 無し(広沢里枝子)

 こんにちは。広沢里枝子です。
 毎年、12月の「里枝子の窓」では、私が、一人で1年を振り返りながら、点字朗読をしたり、越後瞽女唄の演奏をしています。
 今年、点字で朗読しますのは、「全国中学生人権作文コンテスト」の県大会で、最優秀賞を受けた、信州大附属長野中学校1年生の山崎結さんの作文です。
 友人が、「里枝子さんの誕生日に寄せて、これほどのものはみつからないと思ったの」と言って、11月19日に「信濃毎日新聞」に掲載されたこの「大好きな祖母」という作文のことを教えてくれました。
 その作文を上田市の点訳グループ「でんでん虫の会」の方々が点訳してくださって、仕事帰りに「しなの鉄道」の中で読み始めたのですが、私は、とてもとても感動して、涙が止まらなくなってしまったほどでした。
 山崎結さんは、大好きだったおばあ様のことを書いています。このおばあ様は、目がご不自由でした。けれども、孫の結さんを心から愛して、その真心は、結さんに真っ直ぐに届いていたのです。
 私自身、この結さんの言葉は、孫からの贈り物のように感じられて、読む度に励まされます。心をこめて朗読します。
また、後半では、昨年に引き続き、越後瞽女唄を2曲演奏します。
 1曲目は、今年小学校の講演などで演奏して、子供たちに喜んでもらった「信州追分」です。越後瞽女さんたちが、信州を旅したときには、きっと人気があって、盛んに演奏した曲だろうと思います。追分、軽井沢、小諸、浅間山という文句が出てきますので、長野県民の皆様には、風景が目に浮かぶのではないでしょうか。
 もう1曲は「おいとこ」という唄です。これは1年の数え唄になっています。1年の締めくくりにふさわしい唄なので、年末に唄う機会をいただいた時に、たち唄として歌うといいと、私は、師匠の萱森直子先生から教えていただきました。
 今年も、後少しですね。いろんなことがあったなあと、思いを巡らしながら、ゆったりとお聞きいただければうれしいです。
 では、最後に「おいとこ」の文句を記します。新年も、どうぞ、「里枝子の窓」をお楽しみください。

正月かどにかどまつ
二月ははつうま
三月おひなさま(さくらばな)
四月は釈迦のお誕生
五月はこいのぼりだよ
六月ぎおんまつり
七月たなばた
お盆のそうだよ
八月月見だよ

(文/広沢里枝子)

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