これまでのゲスト
放送日:2019年2月23日
<ゲスト> 南沢 創(はじめ)さん
今月のゲストは、南沢創さんです。南沢さんは、上田市のご出身で全盲です。「里枝子の窓」へは、人生の節目ごとに出演していただきました。
南沢さんは、大学卒業後は、教員採用試験に挑戦していて、この番組では、視覚障害を乗り越えて一般の中学校の先生になる夢を元気に語っておられました。その後、2001年に栃木県の教員採用試験に合格し、2002年から宇都宮市の先生になりました。最近は、目の不自由な人たちが楽しめる百人一首の試合形式「四人一首」を考案し、全国展開を目指して試行錯誤の日々を送っているそうです。
今日は、教師としての17年間の出来事やお仕事の様子、そして視覚障碍者が楽しめる百人一首のことなど、興味深いお話が聞けると思います。
(文/広沢里枝子)
出演者からのメッセージ
皆さんこんにちは。南沢 創(みなみさわ はじめ)です。全盲です。現在,栃木県宇都宮市の小学校で音楽を教えています。
私の勤務している宇都宮市立中央小学校は,東武宇都宮駅から延びる,オリオン通りというアーケード街のすぐ近くにあります。そしてこの宇都宮市立中央小学校は,小倉百人一首誕生に大きく関わった,宇都宮頼綱の住んでいた宇都宮城に最も近い小学校です。
頼綱は晩年,出家して蓮生(れんしょう)と名を替え,京都の小倉山荘に移住し,藤原定家と出会います。そして蓮生は,四季折々の風景や,さまざまな人々の思いをいつも感じられるようにと,定家に,名歌を選んできて,小倉山荘のふすまに書き綴ってほしいとリクエストしました。
そこで選ばれた和歌こそ,今の小倉百人一首の大本です。選ばれた和歌は,今のハガキより一回り大きな和紙に毛筆で清書され,パッチワークのような感じにふすまの至る所に貼り付けられました。
その後,蓮生は毎日,それらの和歌の清書を見て楽しむことができたそうです。
ところで,そのことを知った私は,蓮生こと宇都宮頼綱ゆかりの地にある宇都宮市立中央小学校に,小倉百人一首のクラブを立ち上げ,子供たちに競技かるたを教えるようになりました。
クラブでは和歌を全く知らない1年生や2年生に,飽きさせずに競技の楽しさを伝えていかなければなりません。そのための工夫をする中で,目の不自由な方が札を取り合う競技「四人一首」という,小倉百人一首の試合の形を作りました。
そして2020年,全日本かるた協会の主催による,バリアフリーかるたの第一回大会が,東京都文京区を会場に開催されることが決まりました。
今回はこの「四人一首」を普及させる歩みと,どんなゲームなのかに焦点を絞ってご紹介させていただきます。
この番組をきっかけに,「是非やってみたい!!」と思われる方が現れることを,楽しみにしております。
ご自宅に音声パソコンをお持ちの方は,「四人一首」を,インターネットを使って体験したり練習したりすることができます。また,札の入手方法も掲載してありますので,是非一度,開いてみていただけますと幸いです。
皆さん,是非ご一緒に,小倉百人一首の世界を楽しみましょう。
●バリアフリーかるたホームページ
http://doranekokaruta.com
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