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これまでのゲスト

放送日:2007年3月31日

百瀬友江さん

目の見えない人の生活に思いを馳せて! (文/「里枝子の窓」ディレクター:岩崎信子)

 ラジオ番組「里枝子の窓」はこの4月、17年目に入ります。〈障害を持つ人も持たない人も隔てなく交じり合って生きる〉ことへの共感が、番組を支えてきました。
 SBC上田放送局のスタジオには様々な人々がやってきて、里枝子さんの優しい語り口に導かれ、のびのびと、存分に人生の学びを語っていきました。
 2月のある日、東京のロゴス点字図書館に勤める百瀬友江さんがやって来ました。
 百瀬さんは以前、游話舎へも朗読の勉強に来たことがありました。民間企業で電話交換手として働いていた頃です。彼女は「ブレールメモ」(点字の電子辞書のようなもの)を肩にかけ、白杖を突きながら、電車を乗り継ぎやって来ました。頑張り屋さんで、ブレールメモを指で触れながらよどみなく朗読するのです。さぞかし何回も下読みを重ねてきたことでしょう。他の皆も大いに刺激を受けました。
 2年ぶりに再会した友江さん。フリルのゆれるアイボリーのアンサンブルがよく似合って、里枝子さんと二人、スイートピーとバラが咲き重なったようにスタジオは華やぎました。
 ロゴス点字図書館は創業50年。〈考える図書館〉とあって、宗教・哲学など、難解の専門書を沢山蔵書しています。友江さんはそこの 校正担当職員です。ボランティアが点訳した点訳本を「校正の読み合わせボランティア」と一緒に、原本と照らし合わせながら読み合わせ、注意深く校正していきます。日本語の同音異義語などは熟考を重ねます。帰宅後の、「漢字かなまじり文」の自己学習も欠かしません。そしてもうひとつ、目の見えない友江さんは、常に利用者=目の不自由な人たちに喜ばれる「本」とは?と、点訳図書のありようを考え、工夫し、模索しているという事です。
 最後に、点訳や音訳にかかわっているボランティアさんたちには感謝しつつも、「目の見えない人たちの暮らしに思いを馳せて頂けたら・・」と言葉を残して東京に帰って行きました。
 お母さんの「皆と同じに育てる」子育て等など・・・ あとは3月放送の「里枝子の窓」をお聴きください。

(音訳ボランティアつくしの会会報より転載)

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