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放送日:2009年11月28日

斉藤千代子さん

 今月は、私が学生の頃から尊敬している先輩、斉藤千代子さんをご紹介します。
 斉藤さんは現在、全盲であり、透析患者であり、車椅子を使っていらっしゃいます。けれども、いつお会いしても明るく優しく、前向きな方です。
 斉藤さんは、昭和22年に現在もお住まいの鹿教湯温泉の近くでお生まれになりました。生まれたときから全盲でしたが、見えないことなどいっこうに苦にせず、子どもの頃は、近所の子どもたちと一緒に、追いかけっこをしたり、河で泳いだり、柿の木に登ったりしながら、のびのびとすごしていたそうです。
 小学1年から、長野盲学校に入学し、鍼灸マッサージ士の資格を取得しました。
 盲学校卒業後は、東京都杉並区にあった「財団法人 サフランホーム」に入所。「サフランホーム」は、キリスト教精神に基づいた盲女性のための自立の家でした。斉藤さんはそこで4年間の研修をうけ、生き方が決まったといえるほど、出会った人々から大きな影響を受けたそうです。
 その後、斉藤さんは実家にもどって開業し、33才で人工透析を受けるようになってからも、鍼灸マッサージの仕事を続けていました。
 ところが、平成7年の12月に、バックしてきたトラックの下敷きになり、重症を負いました。しかし、九死に一生をえたそのときに、「生かしていただいた!」という深い歓びを味わったそうです。
 「この体は預かりものだとおもっているんですよ。だからこそ大切にしたい。私は本当に人に恵まれています。」と笑顔で語る斉藤さん。そんな斉藤さんから、希望のメッセージをいただきます。

(文/広沢里枝子)

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