これまでのゲスト
放送日:2011年6月25日
芹沢文子(せりざわあやこ)さん(臨床発達心理士)
今月のゲストは臨床発達心理師として、東信各地で活動していらっしゃる芹沢文子さんです。芹沢さんには、4月のこの番組で、私と一緒に沖縄の旅の報国をしていただきました。
その後、芹沢さんは4月末から、RQ市民災害救援センターのボランティア活動に参加して、宮城県の登めに行っておられました。番組前半では、そのご体験を伺います。
そして番組後半では、3・11以後の社会状況のなかで、子どもたちを守るために私たち大人はどんなことを心がけたらよいかを一緒に考えます。
震災直後から私が芹沢さんに教えていただいたことの一つは、震災を引き合いに出して子どもを叱ってはいけないということでした。被災地はもちろん、信州でも、大人たちが「こっちへ来ていないと地震があったら逃げられなくなっちゃうよ」 「お父さんやお母さんの言うことを聞かないと会えなくなっちゃうかもしれないんだよ」「など、言うことを聞かないとこういう目にあうんだと思わせるような言葉を言ってしまっていることが少なからずあるそうです。しかし、子どもたちはそのように叱られると、自分のせいで、こんなひどいことがおきたんだと思いこんでしまう場合があるそうです。
芹沢さんからは更に、災害の現場に直面するような悲惨な映像を子どもたちにはできるだけ見せないようにすること。大人として情報が必要な場合は、子どもがそうした情報にさらされないような工夫が必要だと教えていただきました。特に低学年のうちは、映像と現実の違いを認識することがまだ難しいため、その影響を無防備に受けてしまう場合があるのだそうです。
それでももし、子どもがそうした情報に接して尋ねてきたときは、その年齢の子にわかるかたちでの説明を簡単にしてあげるといいそうです。
あなたたちは逃げる力がある。乗り越える力がある。いつでも助けてくれる人がいる。私たちが傍にいる。大丈夫だよというメッセージを子どもたちに伝えてほしいと芹沢さんはおっしゃっています。
これらのお話を伺って、みんなで知っておきたいことだと思いました。震災後3ヶ月が過ぎ、新たな状況もあると思いますので、そうしたことを含めて、子どもの心を支える活動を長年されてきた芹沢さんから、お話を伺いたいと思います。
(文/広沢里枝子)
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