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放送日:2011年7月30日

塩入法道さん

 今回私は、八日堂縁日で有名な信濃国分寺へ行ってきました。ディレクターの岩崎信子さんと、盲導犬ネルーダと一緒です。
 信濃国分寺はしなの鉄道の信濃国分寺駅から歩いて5分の上田市国文にあります。
 重要文化財の三重の塔がそびえる信濃国分寺。県宝となっている本堂の北側には、500坪の蓮池があり、7月から8月中旬にかけて、見事な花を咲かせています。
 塩入法道住職に、その蓮池の木道を案内していただきながら、蓮の花についての興味深いお話を伺いました。
 ここに咲く蓮は、塩入住職と地域住民の方たちでつくる「蓮の花を育てる会」が、6年をかけて大切に育ててきたものだそうです。純白、桃色、赤と、一面に美しい花を咲かせて、その仲には平泉の中尊寺から、貴重な株を分けてもらった紅色の蓮もありました。
 私は初めて蓮に触らせてもらったのですが、水の中に手を入れると、なめらかな粘土質の土から、太い茎がまっすぐに立ち上がっていました。その茎には、ちょうどキューりのような棘がありました。花は両手で包みきれないほど大きく丸くて、1枚の花びらが掌よりずっと大きなものもありました。子どもたちが「シャワーの口みたい」と呼ぶという黄色いハチス(蓮の花托)にも触り、初めて蓮の花を知ることができました。蓮って、独特の清潔な香りがあるんですね。
 蓮の花は、泥が汚ければ汚いほど綺麗な花を咲かせる。日差しが暑ければ暑いほど育つ。塩入住職の、そんなお話にも心魅かれました。
 水辺に咲く可憐な蓮を思い浮かべながら、さわやかな気分で放送をお聞きいただければうれしいです。

(文/広沢里枝子)

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