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これまでのゲスト

放送日:2015年6月27日

<ゲスト> 竹内清さん

 今、増えすぎた鹿が、日本の農業や森林に深刻な悪影響を与えています。群れで畑にやってきて、農作物を食べてしまうなどの食害が知られていますが、森林の調査をしている友人の話によると、問題は、それだけではないそうです。森林では、鹿によって、ぐるりと幹の皮を剥がれた樹木が目立つようになり、次々と樹木が枯れ、森の生態系が崩れ、このままでは人間との共存が難しいところまできているそうです。
 そこで森林を守る活動を長年にわたって続けておられる竹内清さんにお話を伺うことにしました。竹内さんは、狩猟を始めて38年というベテランの猟師さんです。しとめた鹿や猪の命を無駄にしないように、諏訪郡下諏訪町で解体場「岳」と、レストラン「旬野(しゅんや)」も経営し、ジビエ料理の腕をふるっておられます。
 ジビエとは、狩猟によって捕獲された鳥獣肉のことで、ヨーロッパを中心に昔からジビエは欠かせない食材であり、フランス料理では高級品として扱われています。今月は、長野県産の鹿肉が大手スーパーイオンの11店舗で、通年販売されることになったという報道もありました。最前線で、この問題に取り組んでおられる竹内さんの思いを中心に、鹿の食害の実情。信州産鹿肉の認証制度の意義。竹内さんのわなの仕掛け方。美味しい鹿肉の調理方など、幅広く教えていただき理解を深めたいと考えています。

(文/広沢里枝子)

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