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放送日:2021年8月28日
<ゲスト> 佐々木貞子さん
今月は、千葉市にお住まいの佐々木貞子さんをゲストに迎えて、女性障害者の複合差別を考えます。
佐々木さんは、網膜色素変性症という眼疾患で20歳頃にほとんど見えなくなりました。「DPI女性障害者ネットワーク」(以下、女性ネットと書く)に参加して、女性障害者の複合差別解消のための活動をしています。
女性ネットは、障害のある女性が軸となった、国内のゆるやかなネットワークです。障害のある女性は障害者差別と女性差別を重複して受け、多くの生きづらさを感じています。女性ネットは、この複合差別を解消するために施策提言や啓発活動を行っています。私は、子育てをしていた頃に佐々木さんに出会って、それ以来、長いお付き合いをさせていただいています。佐々木さんは、2011年には、「複合差別実態調査」のために上田市にいらしたこともありました。
この全国の実態調査では、多くの女性障害者が、わいせつ行為やセクハラ、介助時の必要以上の身体接触など、性的被害の経験をしていることに驚いたそうです。アンケートと聴き取りに応えてくれた87名のうち約35パーセントが何らかの被害を受けていました。また、筋ジストロフィー病棟や施設、家庭内でも、男性による排泄や入浴介助が行われ、拒めない状況がありました。性と生殖の権利が軽視されたり、侵害されていました。他にも就労が不安定、医療や福祉など様々な社会サービスの場で充分な対応を受けられない等、社会の中で様々な困難があることが明らかになったそうです。
このように女性障害者が、複合差別を受けている実態は、長野県も変わりありません。長野県の共生社会づくり条例のパブリックコメントに積極的に意見を届けるなど、深刻な差別をなくすために私たちにできることを考えます。
DPI女性障害者ネットワーク https://dwnj.chobi.net/
(文/広沢里枝子)
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