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これまでのゲスト

放送日:2024年5月25日

<ゲスト> 尾上浩二(おのうえ こうじ)さん(DPI日本会議 副議長)

 今月のゲストは、尾上浩二さんです。尾上さんは、全国91の団体で構成するDPI(障害者インターナショナル)日本会議の副議長です。
 尾上さんは、1960年大阪生まれの64歳。子どもの時から脳性マヒの障害があり、小学校を養護学校、施設で過ごした後、地域の学校へ進みました。大学入学直後の1978年から現在まで46年に渡って障害者運動に関わり、バリアフリーや障害者の自立支援活動を進めています。障害者差別解消法の制定や改正にも関わってこられました。
 さて、民間事業者の合理的な配慮義務化などを盛り込んだ「改正障害者差別解消法」が、今年の4月1日に施行されました。けれども、私たち障害当事者も、どこまで配慮を求めて大丈夫なのか、私たちの生活はどう変わるのかなど、わからないところがたくさんあります。そこで今回は、障害者の代表として、この法律の制定や改正に参画してこられた尾上さんから、この法律について、私たちがまず理解しておきたいポイントをお話ししていただきます。
 なお、尾上さんから、障害者と事業者との間での建設的対話を妨げるNGワードと、その考え方をどう変えて対話していったらいいかについて大事なヒントをいただきましたので、シェアします。バリアのない平等な社会づくりに向けて、どのように「障害者差別解消法」を生かしていったらいいかを共に考えたいと思います。

◇建設的対話を妨げるNGワード(考え方)
(1)「もし、何かあったら」と言って断らないでください。どういう問題が生じるか、そのリスクを減じるためにどういうことができるかを具体的に考えることが大事です。
(2)「あなただけ特別扱いできません」と言って断らないでください。合理的配慮は「特別扱い」ではなく、共に活動したり楽しんだりするため(平等性確保)の個別的調整です。
(3)「前例はありません」と言って断らないでください。前例は対話を通じてつくるものです。

◇DPI日本会議が編集した「障害者差別解消法」の解説本のご紹介
■障害者が街を歩けば差別に当たる?!:当事者がつくる差別解消ガイドライン
https://gendaishokanshop.stores.jp/items/5fa24a0dbfdf09465c0745a2

(文/広沢里枝子)

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